企業分析

テスラの株価がインベスターデー後落ちた本当の理由

3/1にテスラが投資家向けに開催したイベスターデー後に株価が急落しました。
これにはいくつかの理由がありますが、今回は他ではあまり見かけない切り口から株価が急落した本当の理由について簡単に解説していきたいと思います。

一般的に言われている理由:一般投資家が期待していた新商品(コンパクトEV)の発表がなかった

発表されたものとして抜粋すると、

◎マスタープラン3の発表

メキシコに次世代EVの工場を作る
既存のギガファクトリーの40%少ない面積でEVとバッテリーの製造ができる
しかも既存のギガファクトリーと同じ生産量を実現する

長期目線のビジョンでは持続可能なエネルギー、長期的な次世代のプラットフォームの効率化などの運用について面白い発表をした

が一般投資家が期待していた新商品の発表がなかった。
これは一般的に言われている今回株価が下落した理由です。

株価が下落した本当の理由

理由①個人投資家の期待が高すぎた(バカすぎた)

会見の直前5日間のテスラの株の個人投資家の買い入れが20億ドルで買い入れ額で1位、2位のNVIDIAの8倍~10倍の買い入れ額だった。

しかし、期待していた新商品の発表がなかったので会見後7%株価が落ちた

目先の金に群がったバカしかいない、つまり個人投資家が入ってしまうと売買に波があるから金融機関などの大きい投資家が入りにくくなる。

元々割高なシリコンカーバイド半導体(供給しているWolfspeed, Inc.の株価も発表後12%下落)のコストが75%下がると発表、生産コストが下がるのに個人投資家はその価値が理解できなかった。

理由②顧客満足度No.1から転落

顧客満足度の1位から転落、1位はアマゾンと提携しているリヴィアンオートモーティブ(ピックアップトラックメインの会社)が取った。

理由③世界一のバッテリー企業のCATLの値下げ対象のお得意先になれなかった

ロシアウクライナ戦争前後でバッテリー原料である、リチウムが40%も高騰している。
世界一のリチウムイオンバッテリーの製造メーカーである中国のCATL(キャトル)は価格の設定方法を原料価格連動方式にしており、EVメーカーなどに卸す際の価格も上がってきている。
その中で、CATLはお得意先のみは価格を下げることにしました。
しかし、テスラはCATLの値下げ対象のお得意先になれなかった(指定されたのは中国メーカー、Li AUTO、ファーウェイ、NIO、Geely)ので中国メーカーよりも価格下げられなくなって、テスラは中国で現在は売れ行きは良いけど翳りが見えてきている。
中国のEVメーカー大手のBYDがここに入ってない理由は、そもそもCATLとBYDはツウツウだからそもそもプレミアム価格で提供されているからということがあります。

では、なぜ両社が仲が良いのか?

元々BYDとCATLは両社ともに中国の電池メーカーであり、EV(電気自動車)産業において急速に成長しています。両社は共に中国のEVメーカーである比亜迪(BYD)と協力関係を築いており、BYDはCATLから電池を調達しています。

BYDとCATLが仲良い理由としては、以下のような要因が挙げられます。

1.共通の事業目標:BYDとCATLは、両社ともにEVの普及促進に取り組んでおり、持続可能なエネルギーを推進することを目的としています。そのため、両社は互いの技術やノウハウを共有し、より優れた製品やサービスを提供するために協力しています。

2.相補的な製品ラインナップ:BYDは、世界中で最大級のEVメーカーであり、CATLは世界有数のEVバッテリーメーカーです。両社は、互いの強みを活かし、製品の競争力を高めるために、協力しています。

3.業界内の良好な評判:両社は、中国のEV産業においてリーディングカンパニーとして認知されており、業界内での評判が高いことが知られています。両社が共同で事業を進めることで、中国のEV産業全体の発展に貢献することが期待されています。

以上のような理由から、BYDとCATLは良好な関係を築いており、今後も両社の協力関係は継続することが予想されます。

最後に

ここまでがテスラのインベスターデー後、株価が急落した本当の理由です。
IPO株への投資についても同じですが、基本的に長期目線で取引ができる適格投資家しか株主に入れない理由と通じますね。
一般投資家が多い会社は注意が必要ですね。投資家はその会社に投資されているお金の色を見ますから。
IPOだと特にそうですね。変な投資家を入れることによって上がる株価も上がらなくなりますから。
イーロンの今後の経営手腕にも注目ですね。